絹を織る
野々花染工房さんには織部門もあり、主に女性の織子さんによってものづくりが行われています。
織部門の担当である社長の奥様と織手の皆様にお話を伺いました。
織る前には織子さん自らが合わせ糸をつくり、糸の配色を考え織っていきます。
合う色を選べるようになるには経験値が必要。
「仲良くしてくれる色を選ぶ」といいます。
毎日糸を見ている織手は、誰が染めた糸か、ということまで分かるそうで
糸を染めたときの職人の機嫌も想像できてしまうとか。
ベテランの織手さんならではのとても面白いお話です。
また、織り手として「100点のものができた」と思うことは無く、
「あそこがダメだったな」といつも思っている、とお話をしてくださいました。
常に向上を目指す姿勢を持つことが良いものを産み出す秘訣なのかもしれません。
技術の後継者問題も抱えることが多い呉服系繊維業。
今後の新人教育について伺うと、
「ものをつくっているけど、ものをつくること自体にもお金がかかる。
若い子をたくさん育てられるだけの資金さえあれば、教育にもさらに力を入れられると思う」
と葛藤もお話しいただきました。
織子さんの中で最年少は、21歳(取材当時)。
「小学生のときにお母さんと展示会に行き織子さんを見て、 ” 美しいな ” と思った」
これを機に織りの世界に入ることを決め、高校を卒業したタイミングで入社されたそうです。
期待の若手も活躍する野々花染工房さん。
今後のものづくりにも期待が高まるばかりです。